旅先の道の駅で、「コリンキー」という野菜を見かけた。
見慣れない・聞き慣れないものだったので、手に取ってみたところ、「生で食べられるカボチャ」と説明されている。
・・・生で食べられるカボチャ!?
気になったが、旅行中だったので、その場での購入は断念せざるを得なかった。
帰ってしばらくしてから、ふと、よく行く近所のスーパーの農産物直売コーナーを通りかかったとき、
目立たない下の方に、その「コリンキー」というものが売っているのを発見した!!
…なんと!
限られた地域で作られているマイナー野菜なのかと思いきや、
東京のスーパーにも出没しているのか、お前・・・
しかしこれまで41年生きてきて、全然、口にした記憶はないぞ。
お前一体、何者なんだよ。
というか、いつからいたんだよ。
今度こそ、そいつの正体を探るべく、私はスーパーにあった「コリンキー」を購入して帰った。
未知の存在「コリンキー」とは
コリンキーは前述のとおり、「生で食べられるカボチャ」と説明されている。
一般に日本で売られているカボチャ(皮が緑のやつ)に比べると、少し小ぶりな印象だ。
皮は鮮やかな黄色をしているが、個体差が大きいようで、売り場では、写真のような黄色から、かなりオレンジっぽいもの(ハロウィンのカボチャっぽい色)まであった。
形は、一般的なカボチャ(横長のずっしり平たい形)と比べると、縦長で、先端がすぼまり、下部が膨れた形だ。
例えるならヒョウタンとか、洋ナシに近いような感じがする。
普通のカボチャは大抵、1/4とか1/2にカットされて売っているが、コリンキーはそのまま1個である。
これで200円くらいだったから、お手頃だと思う。

半分に割ってみると、カボチャと同じように、中にはタネとワタが詰まっている。
中身も外皮と同じような晴れやかな黄色で、ここは普通のカボチャに近い。

…さて。
好奇心で買って帰ったものの、見知らぬコイツをどう料理したものか、見当が付かない。
いくつか試してみたので、本記事ではその結果をご報告したい。
コイツの活用方法を検証
0.そのままいってみる
何しろ「生で食べられるカボチャ」と説明されているのだから、まずはそのまま何もせず食べてみるのが礼儀というもの(?)だろう。
皮ごと食べられるらしいので、水で洗って、外皮からそのまま、ピーラーで薄く剥いて、ムシャムシャ食べてみた。
まずはお前のありのままの姿を見せてくれ、コリンキー。

「・・・・・・」
・・・うむ。こういう味か。
カボチャ感はない気がする。
とはいえ、カボチャを生で食べたことがないので、なんとも言えないが。
食感としては、生で人参食べたみたいな感じかな?と思った。
コリコリっとした食感だから、コリンキーなのか?(←いや違う?)
しかし、人参のような甘み・味わいというものはあまり感じない。
際立った特徴はなく、なんというか、まあ、非常にアッサリというか、素っ気ない感じだ。
「どっちかというと、キュウリに近い」
というのが自分の感想だった。
普通のカボチャより、水気は多そうだ。
クセはなく、コリコリっとした食感で食べやすいが、キュウリみたいであんまり味はないので、調理せずそのまま食べるのは、正直あまり愛想がないと思った。
そこで、次は、いくつか調理法を試してみた。
ただし、手間のかかるものを作るつもりはなく、あくまで、「普段の食生活の中で活用するならどんなふうにするか」という発想で試している。
(家庭で食べるものとして作っているため、写真も見苦しいと思います。ご了承ください)
1.浅漬け
まずは火を通さない調理法。
購入した商品に紙のメモが入っていて「浅漬けもおすすめです」と書いてあったので、
塩昆布を使って浅漬けにしてみた。
カボチャと考えると妙な感じだが、キュウリだと考えれば一般的な活用法だ。
<作り方>
コリンキーをくし形のような形で1/8に切り、タネとワタをとり、横向きにスライス。
スライスしたコリンキーをポリ袋に入れ、適量の塩昆布を混ぜ、ポリ袋を外からモミモミする。
そのまま冷蔵庫に数時間。取り出して食べる。



これだけである。
キュウリのイメージだったので、輪切りのような形で、スライサーで薄く切った。
味はいかに。
・・・うん、結構いいんじゃないか。
漬けたことでシンナリしたが、パリパリとした食感は残っている。
キュウリを漬けたときより大根を漬けたときの食感に近いかもしれない。
カボチャっぽさは全然感じない。

まったくクセがないので、アッサリ、サッパリ食べられる。
サラダ感覚という感じだ。
2.マリネ
続いて、同じく火を通さないパターンとして、マリネを作ってみた。
今度は、見た目の感じを変えるべく、ピーラーで薄く剥く、という切り方を採用。
切ってそのままだとマリネ液と混ざりにくそうな気がしたので、塩もみすることにした。
<作り方>
コリンキーをくし形のような形で1/8に切り、外側からピーラーで薄く剥いていく。
※最後の残り部分は剥けなくなるので、包丁で適当に薄くスライス。
塩小さじ1/3程度を振りかけてなじませ、しばらく置く。
水分が出たら水気を絞り、マリネ液と混ぜる。
(マリネ液:すし酢2:オリーブオイル1を混ぜて作成)


ちょうど家にバジルがあったので、仕上げに刻んで混ぜてみた。
鮮やかな黄色に、バジルの緑色がよく映えて、見た目にもいい感じだ。
ピーラー剥きでペラペラした形にすると、オシャレな感じに仕上がることが分かった。

食べてみると、これは非常においしかった。
クセがない野菜なので、酸味と相性がよく、食欲が進みそうなサッパリ爽やかな味わい。
薄く剥いて塩もみしたため、パリポリ食感は控えめになり、ちょっとしんなりして、マリネ液との馴染みも良好。
思いつきでバジルを混ぜてみたのも非常によい組み合わせだった。
ちょっとオシャレなデリ風の仕上がりになった。
ワインと一緒に食べる最初の一皿に最適だと思う。
3.味噌汁
では、今度は火を通す形の調理法を試みてみよう。
日本の食卓には、野菜の用途に困ったとき、「とりあえず味噌汁にぶっ込む」という便利な解決方法がある。
冷蔵庫の余り野菜は、なんでも味噌汁に直行である。
味噌は驚くほど受容力が高く、ほとんど何を入れてもマッチングできる。
味噌を発明したご先祖さまの偉大さに感謝である。
コリンキーもまずはこの味噌汁ルートに仲間入り。
<作り方>
カボチャの味噌汁を作るのと同じ要領である。
くし形に切ったコリンキーを、2~3mm程度の幅で横向きに輪切りにしていく。
それを加熱していつもの味噌汁を作るだけ!
私はシメジと組み合わせてみた。



もう完全に、ありもので作りましたという、まったくの家庭料理である。
食べてみて、ちょっと意外だった。
「味噌汁に入れると、カボチャ感がある・・・・・・・・・!!!」
これまで、カボチャ感をまったく示さなかったコリンキーであるが、
味噌汁を食べたところ、よく知った「カボチャの味噌汁」と同じ雰囲気の味がする。
ただし、いつものカボチャの味噌汁より、味がずっと薄く、甘みもホックリ感も少ない。
「カボチャ成分を弱めたカボチャの味噌汁」になっている。
「お前、なんだかんだ言って、やっぱりカボチャだったんだな、コリンキー・・・・・・!!」
とてもやさしい味わい。ほっこり落ち着く、馴染みの食卓の一杯という感じだ。
感想として、もっと厚めに切ればよかったかな、と思った。
あるいは、加熱時間をもっと減らし、サッと火を通すだけにするか。
カボチャより水気が多いので、しっかり火が通ると、食感がグズっとしてしまうのだ。
次回は厚さを変えて切ろう、と考えた次第だ。
4.ひき肉炒め
そして、火を通した調理法をもう一つ。
野菜の用途に困った時のもう一つの最強解決法は、「肉と一緒に炒める」である。
これでおいしく食べられないパターンなんか、ほとんどないだろう。
コリンキーも肉と炒めてみることにした。
非常にアッサリした野菜なので、ここでは鶏ひき肉と一緒に炒めて、シンプルに塩こしょうで味付けする。
<作り方>
コリンキーをくし形のような形で1/8に切り、外側からピーラーで薄く剥いていく。
※最後の残り部分は剥けなくなるので、包丁で適当に薄くスライス。
フライパンを熱し、鶏ひき肉適量を炒め、十分火を通す。
コリンキーを投入し、サッと軽く炒め合わせる。
塩こしょう適量で味付け。


薄く剥いたので、コリンキーの炒め時間は短めにした。
鶏ひき肉との相性やいかに??と思ったが・・・うん、おいしい!!
何度も言うようにクセのないサッパリした野菜なので、肉の味をよく感じる。
シンプルな塩こしょうも実によく合う。
一方で、青菜なんかとは違って、炒めてもカサがあまり減らないので、食感もしっかり残り、ボリュームも感じて、食べ応えがある。
なんだかヘルシーな感じがする料理に仕上がった。
今回は鶏ひき肉&塩こしょうの組み合わせだったが、豚肉とかと炒めたり、濃いめの味付けにするなど、もっとガッツリ系の方向性にしようとする場合には、別の切り方のほうが相性がよいかもしれない。
薄く剥くのではなく厚みをもたせて切り、食感をしっかり残すほうがおいしいだろうと想像する。
検証結果まとめ
以上、4つの雑な調理法を試してみた。
料理能力が高くない身なので、あくまで自分が家で食べるために調理したものだが、どれもおいしく食べられた。
自分としては、マリネがいちばん気に入ったかもしれない。ちょっと気分が変わり、食卓がオシャレになる感じがする。
(単にワインと合うからというだけかもしれないが・・・)
試行した結果をまとめるなら、こうだ。
①カボチャとは方向性が違う
普通のカボチャと比べると、水気も多めでアッサリした野菜であり、
甘みやホクホク感が特徴のカボチャとは、別の発想で使ったほうがいいだろう。
(カボチャのようにスイーツに使うとかは、ちょっと考えにくい気がする)
②適応力高し
何度も書くようにクセのない野菜なので、用途が幅広い。
正直、普通のカボチャは私にはちょっと使いにくい野菜で、レパートリーが少ないのだが、コリンキーはどんなふうにも使えるという気がした。
主張が強くなく、いい意味で特徴が薄いため、用途に応じて相手に合わせてくれる。
③切り方で使い分けるとよい
私も複数の切り方で調理したが、切り方によって食感が変わるので、調理法に応じて使い分けるとよい。
火を通さずサッパリ食べるときは薄く、食感をしっかり残して加熱したいときは厚めに、みたいな感じで。
・・・なんて、それっぽいことを書いてみたが、
とにかく面倒だというなら、何も考えずにとりあえず切ってサラダに突っ込んでおけば、おいしく食べられる。
色もきれいだし食感もいい。
ズボラな料理者にやさしい野菜だと思った。
1個買えばかなりボリュームがあるし、日持ちもしそうなので、冷蔵庫に入れておくとけっこう便利かもしれない。
見かけによらない親しみやすさ
というわけで、正体不明でめんどくさそうな「コリンキー」は、
実は意外と、面倒がなくて、料理下手にも使いやすい、適応力高めの野菜だということが分かった。
「お前、とっつきにくそうだと思ってたけど、見かけによらないな!!」
さて、家の近所でコリンキーを見つけたときは、嬉しくてさっそく夫にも話した。

スーパーでね、コリンキーっていうのがあったんだよ。
生で食べられるカボチャらしくて、初めて買った!

ああ、なんか、それ、なつかしい感じだね。

………??
??

えーと、もしかして、昔、おばあちゃんの家で育ててたとか、そういう・・・??

え?何が?
「三角形の秘密は~」とかいうCMのやつじゃないの?

………………
それはポリンキーである。
人の話を聞かない上に、なんともベタなボケをかましてくるところが、地味にイラっとするのであった。


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