これは、沼津に旅行に行った時の話である。具体的には、この記事のおまけに該当する。
私たち家族は沼津港近くのホテルに宿泊し、夜は金目鯛の煮つけをおいしくいただいた。
翌朝は、シンプルなバイキングの朝食だった。
この際に、大問題（←ウソ）が発生したので、その「ことの顛末」を報告する。
朝食会場には、定番のアジの干物はもちろん、ご飯のお供のような品がたくさん並んでいた。
静岡おでんも用意されていて、なかなかおいしい。
バイキングのメニューのうち、ご飯や汁物の大鍋は二つずつ置かれている様子で、
「味噌汁」と掲示されている鍋の右側に、もう一つ同型の鍋が並んでおり、
右側の鍋にはメニュー名の掲示はないが、
明らかに、左側と同じものが２つあるんですよという見た目だった。
「味噌汁」と掲示のある左側の鍋が他の人で塞がっていたので、同じように見える右側の鍋から味噌汁を取ったら、
…中身が豚汁だった。
それで、てっきり、２個の鍋の中身が違ったのだろう（右側には「豚汁」との掲示が抜けていたのだろう）と思い、
席に戻って、家族に、「同じ中身だと思って取ったら、こっちは豚汁だったよ～」などと話した。
そうしたら、長男（ひーくん）が取っていたのも豚汁だったらしいことが分かり、
もしかしたら両方豚汁だったのかな？という推測が生じた。
さらに、ここでひーくんがその状況を見て、
「そういえば、先生が、静岡とかでは豚汁のことを味噌汁ということもあります、って言ってたよ」
などと言い始めたのである。
（ひーくんの話がどこまでホントかは分からず、正直、大いに信憑性に欠ける）
えっ、そんな話、初めて聞いたよ！？
夫（ヨウちゃん）は静岡県生まれである。一緒に暮らして10年以上。
そんな話は出たことがない。
…が、さっそく当のヨウちゃんに話を振ってみても、
食物摂取に熱中している彼（←大食い）の反応は実に鈍く、
「そもそもそんなの気にしたことない」などと言う。
興味なさそうなヨウちゃんに、やかましく促して味噌汁を取ってきてもらったところ、
やはり２個とも豚汁らしく、要するに豚汁を味噌汁と掲示していることになる。
そりゃ、まあ、豚汁も味噌汁のバリエーションの一つであって、
１つのバリエーションだけをことさら別の料理名で呼び分けなければならないという理由は乏しい…と言えば、一理あるのだが、
やはり一般的には、豚汁は豚汁として少し違うメニュー扱いされているのをよく見かける気がする。
静岡では、豚汁を味噌汁と言ってるの！？
どうなんですか！？県民！？
はっきりしてください！！
いや考えたことないから分からないよ。
なんで豚汁だけ特別扱いなのか疑問だな、とは思ってた。
大学の学食で味噌汁を豚汁にしたら料金高くなるのとか、なんで？って思ってた。
うーむ……
…この反応からすると、豚汁を独立の料理名というより味噌汁の１バリエーションと考える意識が強いのかもしれない。
しかし、何しろ彼はしょっちゅう常識に問題を生じているので、そもそもヨウちゃんに静岡県民一般の意識を尋ねたところで全く何にもアテにならない。
この件に関しては、後ほど三賢人にも聞いてみた（※）が、
「静岡県では豚汁を味噌汁と呼称する習慣はない」と否定する回答で一致していた。
したがって、ひーくんのガセネタである可能性が高いが、真相は謎である。
（※）私とヨウちゃんの間では、生成AIの代表格「Copilot」、「ChatGPT」、「Gemini」を、面白がって「三賢人」と呼んでいる。
なお、豚汁自体はとてもおいしかった。
具がたくさん入っており、手作り感のある仕上がりで、料理人の仕事というより家庭で出てくるような雰囲気の一品だった。味噌汁ごちそうさまです。
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