瀬戸大橋、渡るだけじゃもったいない。鷲羽山から見る雄姿に胸が熱くなる

旅行・地域ネタ

本四ルートの一番手

本州と四国を結ぶルートのひとつ、瀬戸大橋

3つの本四連絡ルート(瀬戸大橋、明石海峡大橋&大鳴門橋、しまなみ海道)の中でも、いちばん早い1988年に開通したのが瀬戸大橋のルートだ。
鉄道で本州から四国にわたる唯一の通り道でもある。
開通以来、35年以上にわたり本州・四国間の交通を支えてきた。

「瀬戸大橋」という呼び名はあるものの、単独の橋ではなく、海にかかる6つの橋の総称(※)であり、合計9.4㎞に及ぶ世界最大級の橋梁群である。
(※)海の上でなく、島や陸地の上の高架橋も含めると10の橋があり、その延長は約13kmとされている。

先月、岡山・香川に旅行する機会があり、岡山県側から瀬戸大橋を渡って香川に至った。
渡る前に、瀬戸大橋展望スポットとして知られる鷲羽山に立ち寄ったのでご紹介したい。

鷲羽山からの眺め

鷲羽山は岡山県・倉敷市にあり、イメージとしては瀬戸大橋の岡山側のつけ根のあたりに位置する。


瀬戸内海の青い海や連なる島々が生み出す美しい景観と、瀬戸大橋の壮麗な姿を一望のもとに眺められる場所だ。

展望台に行くには、駐車場に車を止めて、遊歩道に沿って坂を上っていく必要がある。

駐車場から階段を上り、5分ほど歩くと、まず第2展望台に着く。

第2展望台からの眺め

そこからさらに10分程度遊歩道を歩くと、ビジターセンターのそばに第1展望台がある。

第1展望台からの眺め。通行していく船が風景に彩りを添える

この2つ以外にも、途中のあちこちに展望スポットが設けられており、景色を堪能しながら歩くことができる。

倉敷市側にくっついた吊り橋のスタート地点
ずっと見ていても見飽きることがない

ビジターセンターからさらに5分ほど上り、山頂まで行くと、360度周りを見回すことができるようになっている。

山頂からビジターセンターが見下ろせる。瀬戸大橋の方向だけでなく、周囲の全方位を見渡すことができる
倉敷市児島方面を振り返ると、漁港やボートレース場も見える

目の前に開ける瀬戸内海は、実に美しい。
ひと目見た瞬間から、「すばらしい景観だ」と感嘆の声が出る。

瀬戸内海は、日本で初めて国立公園に指定された区域のひとつ(ほかに、雲仙・霧島)である。

海に囲まれた日本であるが、これだけの広さを持つ内海は唯一無二であり、
あらためて、この素晴らしい景観を生み出す瀬戸内海の自然は、日本の宝だなあと思うのだった。

第1展望台には、句碑があって、

島一つ 土産に欲しい 鷲羽山

と刻まれている。
地元の俳人、難波天童の句だそうである。

句碑の背景に、橋と海と島。まさに絶景スポット

この景色を見る人の気持ちをうまく書き表した一句といえる。
一つと言わず、この景色そのまま持って帰りたいと思わせる風景である。

土木技術の結晶

連なる島々の上をまたぐように、瀬戸大橋が海の向こうへと延びている。
実に美しい建造物だと思う。

瀬戸大橋は、日本の土木技術を象徴する大規模インフラとして、
「日本の20世紀遺産」(ユネスコの諮問機関であるイコモスの日本組織が2017年に選定)にも登録されているそうだ。

瀬戸大橋は先述の通り、複数の橋で構成されており、具体的に言うと、
「下津井瀬戸大橋」「櫃石島橋」「岩黒島橋」「与島橋」「北備讃瀬戸大橋」「北備讃瀬戸大橋」の6つが含まれている(こちらを参照)。
それぞれの橋が構造的には異なる形式で建造されているため、橋の外観としても複数のパターンを見ることができる。
まるで橋の見本市のようである。

例えば、岡山側から出発すると最初に渡る「下津井瀬戸大橋」は、オーソドックスな吊り橋のイメージに沿った外観。
続く「櫃石島橋」「岩黒島橋」は斜張橋という形式であり、斜めにたくさん張られたケーブルが特徴だ。
その次にある「与島橋」は、ケーブルが張られていないシンプルな外観で、トラス橋という形式だ。

日本の技術力の粋を集めて建設された瀬戸大橋は、建設されてから35年以上の歳月を経た今も、実に力強く、そして優美だ。
人の技が作り上げた美しい構造物が、自然の恵みである美しい海の上をまっすぐ走っていく。

土木技術の結晶とも言える長大橋が海の上に連なっていく姿を見ると、なんだか胸が熱くなってくるのは私だけだろうか。

実はほとんど香川県

ところで、橋の上を走行して初めて知ったのだが、実は、瀬戸大橋の大半は、香川県に所在している
なんとなく、橋の真ん中くらいに県境があるようなイメージを持っていたのだが、
岡山側から橋を渡り始めると、直後にもう「香川県」という表示が出る。
岡山県と香川県の間にある島は、だいたい香川県という印象である。

鷲羽山を後にし、車を走らせて瀬戸大橋に入る。
ついさっき遠望した美しい構造物が、今度は目の前でフロントガラスごしに大迫力の外観を見せてくれる。
巨大な橋の塔や重厚なケーブルが間近に見えてテンションが上がる。

もっともオーソドックスな形状の吊り橋。メインケーブルからたくさんのハンガーロープが吊り下がる
斜張橋。塔から直接、ケーブルで橋桁をつなぐ構造なので、緊張感のある外観だ

9歳の長男は、橋の塔の部分の形の違いをおもしろがって、「H橋」とか「ダブルX橋」などと名前をつけながら眺めていた。

日本の動脈を支える

日常的に通行している人にはなんてことない景色だろうが、橋を眺めるのも、橋を渡るのもとても楽しい体験だった。

海に隔てられた四国を本州と陸続きにした画期的な土木構造物・瀬戸大橋。
今日も交通の大動脈として中国・四国のみならず全国に広がる人々の移動や物流を支えているのである。
おかげで私も四国の名産品を東京からショッピングすることだってできるのだ。

ありがとう瀬戸大橋。これからも頑張ってください。

香川県側から見る夜の瀬戸大橋。夜景と橋のライトアップが美しい

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