富山県アンテナショップで「昆布パン」というインパクト強めな商品を発見し、食べてみた話を書いた。その記事の続きである。
富山出身の高山くん(仮)にその話をしたところ、「昆布巻きカマボコ」のことを教えてくれたので、今度また機会があればぜひ食べようと思っていた。
そうしたら、神の思し召しのようにその日はやってきた。
神の啓示のような出会い
先日、所用で大手町の駅を歩いていたら、ふと目に留まった自販機がある。
雪に覆われて青く輝く雄大な立山連峰の写真をあしらった外観に、大きく「TOYAMA」と書いてある。
富山の名産品を取り揃えている自販機なのだ!!

いや、なんでこんな駅構内に唐突に置かれてるんだよ(笑)と思ったが(各地の自販機がズラッと並んでるスポットとかならともかく…)、なんだかまるで、「さっそく昆布巻きカマボコを食べろ」という神の啓示のようではないか。
なにしろ、自販機の中に並ぶ商品には、バッチリ昆布巻きカマボコが含まれていたのである。
ほかにも、富山のお米(富富富)とか、ハトムギ茶とか、リンゴジュースとか、ブラックラーメンとか、おいしそうなものが存在を主張しているが、ここは迷わず昆布巻きカマボコを購入。
PASMOでピッとやって、590円。
出てきた商品を見て最初に思ったのは、「思ったより小さいんだな」だった。
普通によくある板付きカマボコと同じサイズである。
私は勝手に、昆布で巻いてるから大きめなんだろうという想像をして、伊達巻きくらいのサイズ感を思い描いていた。
高山くんは、「富山ではカマボコも板付きのやつじゃなくて、昆布巻きカマボコが標準なんですよ!」と言っていた。定番の板付きカマボコの代わりがこれなんだから、サイズも同じようなものなんだろう。
いざ食べてみよう!
持ち帰り、お酒のツマミにさっそく食べてみた。
買ってきたのは、「河内屋」の商品である。北陸を代表するカマボコの老舗らしい。

そうくれば、もう食べる前からウマいに決まっているので、
特に何も考えず、板付きカマボコを食べるときと同じように1センチ程度の幅で切り分けて、そのままで食べることにした。
袋から取り出すと、昆布の粘り気で表面がネバっとしており、やや切りにくい。
ホントに板がついてなくて、表面は完全に昆布で覆われている。
しかし、「板付いてなくて大丈夫なのかな?グニャッとしないの?」という心配は杞憂で、
切った感じは、昆布の手ごたえも相まって、しっかり固さがある。
昆布は思った以上に頼もしくカマボコに密着しており、切り分けたときに剥がれたりはしない。
断面がまるでラーメンの鳴門のようなビジュアルになり、なんだかポップアートみたいなビビッドな雰囲気(?)である。

そして本題。食べてみた感想は…こうだった。
「これは、昆布だ……」
そう。昆布だった。強く昆布だった。
カマボコというより昆布だった。
たとえば、「肉巻きおにぎり」と言えば、肉の旨味でごはんを食べるもので、主体は「おにぎり」である。
「のり巻き」も、のりを巻いたごはんであり、ごはんを食べるためにのりがあるという関係だ。
しかしこれは、「昆布でカマボコを食べる」ものではない!
「カマボコで昆布を食べる」ものだ!
これを考えた奴は絶対、カマボコが食べたかったんじゃない!
昆布が食べたかったんだ!
「昆布をもっとおいしく食べるためにどうしたらいいかな?…そうだ、カマボコに巻いてカマボコの味わいを昆布に添えよう!」
こんな発想でできたに違いない、絶対!
※個人の感想です

まあ、富山の方が聞いたら、「何を世迷いごとを…」と思われるかもしれないが、
とにかくも私にとって、それほど昆布の風味が圧倒的に思われた。
もちろんカマボコは当然おいしいのだが、そのおいしいカマボコが、「魚の旨味と弾力を昆布の味に添える」役割に徹しているようさえに感じられる。
魚のすり身と昆布の相性が悪いはずがない。
理想的なパートナーがタッグを組んで、昆布をとてもおいしく味わうことができる一品だった。
昆布という食材
私たちの食文化に欠かせない昆布。
しかし、思えば我々は、だしをとってポイ、などということが多すぎて、昆布を「食べる」ということをあまりまじめに考えたことがないのではないだろうか?
塩昆布とか、佃煮とか、そういう添え物とか脇役みたいなものしか思い付かない。
そして正月だけ思い出したように昆布巻きを食べたりする。
そんな我々一般国民に対し、富山の人々から、「昆布とは、このように食べるものなのだよ!このように!」と、力強いメッセージを受け取ったような気持ちになる。
こんなに身近な昆布なのに、私たちは、「昆布を食べる」ということをまだ知らない。
昆布巻きカマボコは、私をその道に誘導してくれる親切な案内人だったのである。
もし私が、この商品のパッケージにキャッチフレーズを掲載するなら、こんな感じにするだろう。
「昆布を食うとは、こういうことさ。」
40年間日本に暮らしていても、知らない味・新しい発見がたくさんある。
ご当地グルメはやっぱりいいな~と思うのであった。
なお、河内屋の商品はオンラインでも購入でき、上に記載した公式サイトのほか、楽天などショッピングサイトにも出店されているようだ。今度は普通のカマボコも買ってみてもいいかもな~と思っている。
・楽天市場:河内屋の昆布巻きカマボコのページ
<おまけ>
冒頭に紹介した自販機には、ほかにも気軽な富山グルメや富山関連グッズが売られていた。
富山まで行けなくても、通勤途中とかにパッと買えて楽しい。




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