家具の組み立てに必要な能力
組み立て式の家具の通販ページには、よく、売り文句として
「女性でも簡単に組み立てられます!」
などと書いてあったりする。
なんだかまるで、女は家具の組み立てもできないと思われているみたいではないか!!
…言いたいことは分かる。
特に力仕事は必要ないですよ、安心して買って下さい、くらいの意味であろう。
他意はないと思われる。
しかし諸君、家具の組み立てには腕力なんかよりよほど必要な能力があるのだよ…。
我が家では、組み立て式の家具などを買ったら、たいていの場合、夫ではなく私が組み立てている。
少し前には、自力で網戸の張り替え作業をしなければならなくなったことがあったのだが、それも私が実施した(けっこう骨が折れた)。
なぜそういう分担なのかというと、
私が何か工作系の作業をとても得意であるとか、
私が夫を上回るムキムキ腕力の持ち主だからとかの理由ではない。
夫(ヨウちゃん)が、
「説明書をしっかり読んでその手順通りに作業する」
という能力に著しく欠けているからである。
そう!家具の組み立てに必要なのは腕力ではなく、「説明書をしっかり読んでその手順通りに作業する」能力である。
ヨウちゃんに組み立てを任せると、おそらく、
部品を取り出して、ろくに説明書も読まずノリと勘で組み立て始め、
途中までやったところで「あれ?おかしいな」となり、
しかし、「まあいいか、ここは合ってなくても」といって補正もせず、
説明書とは異なる手順で組み立てを進めた結果、
「一応形にはなっているが、よく見ると細かいところがなんか違う」
みたいなものが完成するであろう。
「説明書を読めよ」と私はいつも言う。
「まあ、いいでしょ、適当で」と彼は必ず返す。
もちろんよくない。すぐ壊れたら困る。
だから、「組み立てようか?」という彼の提案を断固阻止し、私がやっているのである。
ヨウちゃんは
①説明書を読まない
②説明書を読んだとしても、いい加減に読み飛ばすので誤解する
③説明書を読んで理解したとしても、実際の作業をその通りに行わずミスる
という、複数段階の関門で挑んでくるので、彼にその作業を任せるのは極めてハイリスクである。
こういう人は、道具の使用にあたっても同じ問題を抱えているため、その程度によっては時に大惨事を引き起こしたりする。以下はほんの一例だ。
よみがえる惨事の記憶
もうずいぶん昔のことであるが、私たちが大学生で、私がヨウちゃんの一人暮らしの部屋に初めて遊びに行ったとき、彼の持っている電子レンジは、故障していた。
「どうしたの?電子レンジ」と私は聞いた。

ああそれ…。前に、味噌汁あたためようと思って、鍋ごと入れたら、火花が出て、壊れたんだよ。

…………。
口をあんぐりとはこのことである。
金属入れたらマズイこととか分からんのかい!というかそもそも鍋をそのまま入れるなよ。知らないんなら取説読めや!!
その後しばらくして、ヨウちゃんが私の家に来る機会があった。
スーパーで買った冷蔵品の肉まんを2人で食べようとして、ヨウちゃんにレンジであっためてもらうようお願いした。
私は何か作業をしていて、別の場所にいた。
しばらくたってから、なんだか焦げ臭い匂いがしてきた。
「…あれ?おかしいな」
確かめに行くと、電子レンジから変な匂いが溢れている。慌てて止めたら、
…原型をとどめない肉まんが出てきた。
「変わり果てた姿」とはこのことだ。
完全に真っ黒で正体の知れない何ものかと化している。
私は思わず
「何だこれ!!ダークマターか!?!?」
と絶叫した。
(注:漫画「銀魂」で、失敗して黒焦げになった料理を「ダークマター」と呼ぶ場面がある)
どうやら、1分あたためようとして、間違って10分あたためたらしい。
そのときの電子レンジは、「1分」とか「10分」とかのボタンがあったので、たぶん押し間違えたのであろう。
ただ、ふつうはどこかの段階で失敗に気づくというものだ。「どうしてこうなった」という絶望でいっぱいである。
電子レンジだけではない。
この手の話は挙げればきりがない。
めんつゆを4倍希釈して煮物の煮汁に使うべきところ、そのまま使っていた事件もあった。
(めんつゆをまるまる100ml鍋にぶち込んでいたということである…!!!)
その結果、煮物がどんなものになったか想像に難くないだろう。
読めよ!説明を!
めんつゆパッケージの説明を!!
結論
この文章は「取説をちゃんと読めよ!」という趣旨で書こうと思っていたのだが、
書き進めているうち、「いや…それ以前の問題じゃない?」という気がしてきた。
常識がバグっていると、取説もあまり意味をなさないということなのである。
いや、でも…せめて取説は読もう。読まないよりはたぶんマシだ。



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