我が家の食洗機が故障した。
昨年末から、なんとなく調子が悪い感じがあったのだが、年明け早々に本格的にダメになった。
大急ぎで後継機を調達したが、届くまでの数日間、手洗いを余儀なくされ、大変憂鬱な思いをした。
食洗機は我が家の生活の必需品だ。それが使えない状態はかなり致命的である。
しかし、一般的には、食洗機は広く普及しているとは言い難い。
2025年3月末時点で、「食器洗い機」の普及率(所有している世帯数の割合)は36.7%だ(内閣府「消費動向調査」)。
2005年の21.6%よりは増えているものの、4割にも満たない。空気清浄機(44.1%)より低いのである。
例えば、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジは、2004年3月末時点でほぼ100%に至っているが、
日々、食洗機を使っている身からすると、食洗機は、これら家電と同じくらい必要性が高いものだ。
例えば多くのご家庭で、洗濯機が故障したら、大変困るのではないだろうか?
まさか今さら、洗濯物を全部手洗いするなんて、非現実的に感じられるはずだ。
食洗機が壊れたときの私の感覚も、それに近い。「まさか今更、食器を全部手洗いするなんて、非現実的だ」
私としては「こんなに必要性が高い家電が、なぜ普及しないのだ!?」というくらい、食洗機にはお世話になっている。しかし、普及しない理由も分かる。とにかく置き場がないのだ。
私は、食洗機の普及を強く願っている。だって、食洗機のない生活にもう戻れないから。なくなってしまったら困るのだ。
もっとたくさんの人が使うようになれば、もっとたくさんの製品が出されて選択肢が増えるだろうし、住宅側でも食洗機への対応が進むはずだと思うのである。
そのため、本記事では、9年近く食洗機を使っている立場から、一人でも多くの人が食洗機を選択肢に入れてくれることを願って、食洗機のメリット(デメリットへの対応含め)を訴えたい。
〇前提
最初に前提となる事実を記載しておく。
食洗機には、キッチンと一体化している「ビルトイン型」と、後から別途購入して設置する「据え置き型」があり、賃貸住宅(というか社宅)に住んでいる私が使っているのは据え置き型である。
賃貸住宅であれば、据え置き型しか選択肢はない。戸建て住宅でも、最初からキッチンに組み込まない限りは、据え置き型を選択することになる。
この記事では基本的に「据え置き型」を想定して記載している点にご留意いただきたい。
ただし、食洗機の便利さはビルトイン型でも変わらないので、これから家を建てる方には設置を強くおすすめしたい。
私が使っているのはパナソニック製の食洗機だ。
食洗機は、各メーカーが多様なモデルを出している状況とは言えず、十分なラインナップを持っているのはパナソニックだけなので、パナソニックがメインの選択肢になるだろう。
私が2代目として実際に買ったパナソニック食洗機の性能等も、別の記事で今後紹介したいと思う。
では、次から、食洗機のメリットや、デメリットの克服方法を述べていきたい。
〇食洗機のメリット
まずは、食洗機のある生活がどんなメリットをもたらすか、述べていきたい。
①手洗いしなくてよい
いちばん大きなメリットは言うまでもなく、食器を手洗いする手間がかからないこと。
使い終わったら食洗機に次々セットしておき、全部格納したら洗剤を入れてスイッチオン!
そのまま放置しておけば1~2時間後にはきれいになって、水気もすっかり乾いている。こんな素晴らしいことはない。
あらかじめ洗っておくとか、水につけておくといった対応も基本的には不要。
朝、食洗機をスタートして出勤したら、夜に帰ってきて、乾いた食器をそのまま夕飯に使える。
もちろん、手洗いが一切不要になるとまでは言えない。大きさの都合上、調理器具はあまり入らないし、食洗機に入れられないデリケートな食器ももちろんある。私も鍋釜類は手洗いがメインだ。
しかし、仮に洗濯機に入れられず手洗いしなくてはいけない衣類があったとしても、大半の服を洗濯機が洗ってくれるのと、全て手洗いするのとでは、天と地ほどの差ではないだろうか。
それを想像すれば、一部の食器に手洗いが必要なことは、食洗機のメリットをまったく損なわない。
②水の使用量が少ない
食洗機の水の使用量は驚くほど少ない。手洗いに比べて大きく節水になる。ほんのバケツ1杯の水で済むのである。
③油汚れラクラク
食洗機は手洗いより高温で洗うので、油ギトギトの食器でもすっきりきれいにしてくれる。
手洗いする場合、多くの人はあらかじめ水につけて汚れを落ちやすくしたり、油汚れのひどいものは2度洗ったりすると思うが、そういう必要はない。油汚れにはとても強い。
ただし、苦手なのは、こびりつき系の汚れだ。グラタンや卵などお皿にこびりついているもの(強くこすらないと取れないもの)は落ちにくい傾向があるので、そのへんは得意・不得意を把握して対応するとよい。
④個人差が出ない⇒食器洗いのことでモメない!!
実は、夫婦で家事をする場合にかなり重要なのがこれ。
私の場合、手洗いすると、夫の食器洗いの仕上がりに不満が多すぎて(汚れが全然取れてない、泡がベタベタ付きっぱなし、など)洗い直してしまうことがある。
それに腹が立って「お皿ベタベタだったよ!?」とか指摘したりすると、モメゴトの発端になりがちである。
その点、食洗機は誰がやっても同じ仕上がり。個人差が出ないので不満も持ちようがない!
せいぜい、お皿のセットの仕方で多少変化が出る程度である。
ちゃんと洗えてないよ!といってケンカになる事態を回避でき、ストレスがひとつ減る。
これ、あまり気づかれてないけど、とてもとても大事。
〇食洗機のデメリットと、その対応策
以上の通り、食器洗いを楽チン経済的にしてくれる食洗機だが、もちろんデメリットがある。
私は普及を願う立場なので、正直にデメリットを述べつつ、その対応策の考え方をあわせて紹介したい。
①場所を取る
デメリットはほとんどこれに尽きる。
日本の住宅は狭い。食洗機を置くと、キッチンのスペースをメチャクチャ圧迫する。
下の写真を見てほしい。
我が家のキッチン(シンク横)について、食洗機を設置しない状態と設置した状態を見比べたものだ。

これだけの場所が、食洗機によってほぼ全部埋まってしまう。調理用スペースが激減するのである。
(流しの右側に別のスペースが少しあるので、そこで調理している)
【デメリットへの考え方・対応策】
調理スペースが減ることは、たしかに不便である。しかし、私はそもそも料理にかけられる時間が少ないので、凝った料理を頻繁に作ったりはしない。スペースが少ない状態に慣れれば、どうにでもなるものだ(テーブルを調理に使ってもいいし)。
これはライフスタイルによると思うのだが、もし、料理を楽しむというより、家事にかける時間を減らしたいとか、食器洗いが苦痛という気持ちならば、
調理スペース確保<食洗機 と割り切ればよいと思う。
逆に食器洗いが苦にならないし、料理に手間と時間をかけたいという人には、無理にすすめない。
③そもそも設置できる条件が整いにくい
場所をとる以前の問題として、そもそも設置可能スペース自体が一切ない、ということもある。
特に、少人数用の間取りでは、キッチンスペースがごく小さいことも多い。
電子レンジ等と比べても、食洗機はサイズが大きいし、冷蔵庫や洗濯機とは違って、多くの賃貸住宅では、食洗機を想定したスペースが確保されてないだろう。
さらに、据え置き型食洗機のメインは分岐水栓を使うタイプ(キッチンの水道から直接給水する)であるが、分岐水栓が自宅のシンクの水栓に適合するか?取り付け可能か?という問題もある。
欲しいけど、置けないので、泣く泣く断念、というケースは多いと思われる。
【デメリットへの考え方・対応策】
場所の問題には、色々な対処方法がある。諦めずに検討しよう。
・ラック等を活用する
食洗機を置く床面積が足りない場合、ラックなどを活用して場所を作りだそう。
シンクの上をまたぐように食洗機を置いたり、キッチンのカウンターに台を置いて、かさ上げしたスペースに設置したり、色々な工夫があるし、そのためのグッズもたくさん売られている。
キッチンが狭いのは皆同じだから、アイデアも色々あるのだ。
・タンク式を選ぶ
水道から直接給水せず、使用するたびに自分でタンクに給水するタイプの食洗機も発売されており、こちらは場所を選ばない。
極端な話、電源があればキッチンでなくても置けるし、移動式のラックに乗せるなんてことも可能だ。
・分岐水栓の確認
分岐水栓とタンクを比較したとき、条件が許すなら分岐水栓タイプのほうがよいだろう。タンクへの給水の手間もないし、大容量の食洗機を選べるからだ。
その際、自宅の蛇口に合った分岐水栓があるか?賃貸住宅で取り付けられるか?という課題をクリアしなければならない。
賃貸なら、まず分岐水栓を取り付けてよいか、管理会社に確認しよう。
経験上、「退去時に原状回復できるならOK」と言われるパターンが多い印象だ。
分岐水栓は取り外し可能で元に戻せるので、そのパターンなら問題なくつけられる。
そして、適合する水栓があるかどうか、自宅の蛇口の型番を確認し、メーカーのWEBサイトなどで調べてみよう(パナソニック製であれば、ここから検索できる)。
よく分からないときは、分岐水栓のメーカーへの問い合わせや、もとの蛇口メーカーへの問い合わせも有効だ。
少々面倒だが、やってよかったと思えるだけのメリットが必ずある。
私自身、今はキッチンのシンク横に食洗機を置いているが、前の住居は今より狭く、シンク横にスペースを作ることができなかったので、ラックを使ってかなり無理やり設置していた。
③引越ししにくい
①②をクリアして、めでたく食洗機を設置できたという場合でも、
引っ越したときに同じスペースが引っ越し先でも確保できる保証がない。
頻繁に引っ越しする人にはつらい。
【デメリットへの考え方・対処法】
引っ越し先の住居を選べるなら、食洗機の使用を前提にして置き場所や蛇口のタイプなどを確認するようにしよう。
引っ越しの際は、あらかじめ転居先の住居の蛇口の型番を確認して分岐水栓を購入しておけば、転居時に引っ越し業者に設置してもらうことができる。事前準備が重要だ。
④食器の選択肢が狭まる
食洗機を日常的に使用するようになると、食器を買うとき、「食洗機に入れられるか?」を常に意識するようになる。
気に入った食器を買おうとしても、「これ、食洗機NGだろうなあ」と思って、断念することもある。
そういう意味で、食器の選択肢が狭まってしまう要素はあり、有名な焼き物とか高級洋食器とか、お気に入りの食器に囲まれて暮らしたい人にはデメリットになる。
【デメリットへの考え方・解消法】
上記は食器好きにはデメリットだが、家事をシステマティックに考える人にとっては、最初から食洗機を前提にした食器を選ぶことで食器洗いを効率化できるとも言える。
食洗機に入れやすいシンプルな形状のものを選べば、洗える点数も増える。
例えば私も、足つきのワイングラスは食洗機に入らないので、足つきは特別な日だけにして、普段は足のないワイングラスを使うなどしている。
「食洗機対応不可」と書いてある食器もよくあるが、高級品や工芸品ではない限り、あまり気にせず入れていいのではないかと思っている。
100円ショップにあるようなプラスチックの食器やタッパーにも、「食洗機不可」などと書いてあることがあるが、特に気にせずガンガン入れている。
〇検討中の人のためのQ&A
最後に、食洗機の購入を検討している人が抱いているだろう疑問(私も購入前に抱いていた疑問)に対して、自分の主観の範囲で回答を書いてみた。
ただし、私はパナソニックしか使ったことがないので、例えば他メーカーの安価な商品で同じことが言えるかは分からない。
もう、いいからとりあえずパナソニック買って下さい。
・ホントに汚れが落ちるの?結局、予備洗いとか必要なんじゃない?
⇒落ちるんです!手洗いにありがちな、「油汚れのベトベトや泡が残っている」なんてことは本当にない。
高温で洗浄していることと、洗剤も洗浄力が高いものを使えることにより、手洗いよりずっときれいになるし、個人差も出ない。汚れが派手なものは、事前に少し水で流しておくくらいで、ほぼ、使ったそのまま食洗機に入れてます。
たまに苦手な汚れがあるので、それは使っていく中で対応すればいい話。
・そんなにたくさん入らないのでは…?
⇒うまく詰め込めばけっこう入る。一方、変わった形の食器などは場所を取りやすく、入れられる点数が減る(商品スペック通りの点数は入らない)。
シンプルな食器で、かつ、家庭内で規格を統一すると、たくさん入りやすい。
調理器具も一定の大きさまでは入るが、鍋を入れると必然的に食器を入れるスペースは減る。
もし、全てを食洗機で済ませたければ、「小さめ鍋を使うとともに、調理後にいったん食洗機を回し、食事後にもう一度、食器を入れて回す」といった運用が必要。
私は前述の通り、鍋は手洗いしている場合が多い。
・どれを選べばいいのか…
⇒私は、ファミリー向け大容量+分岐水栓式の食洗機しか使ったことがないので、タイプごとの比較はできない。
個人の感覚としては、条件が許すなら、容量は大きいほうが絶対使い勝手がよいし、毎回ボタン一つでスタートできる分岐水栓式は(設置の手間を除けば)とても便利だ。
しかし、タンク型の設置ハードルの低さは確かに大きな魅力である。毎回タンクに給水するのは面倒そうにも思うが、中には、タンクを持たず、バケツから自動で水を吸い上げるというタイプもあるようだ。
ひとつ重要な観点を言うと、分岐水栓式では、設置するための追加コストがけっこう発生する。
業者に取り付けを頼んだらその費用がかかるし、分岐水栓自体が、意外に高額(ものによるが、1万円以上する)だったりするので、費用を重視する人は要注意。
・やっぱり場所取るよね…
⇒取ります!ここは正直に言うが、思った以上に大きいし、存在感がある。
賃貸住宅のキッチンは食洗機の設置を想定して作られてない。
「まあ入るだろう」と考えず、購入前にしっかり念入りに計測しよう。
本体サイズだけでなく、扉を開閉する際に障害物がないか、といった点も要チェック。
メーカーの公式サイトで寸法を見て、自宅のキッチンの寸法と照らし合わせよう。
・音うるさくない?
⇒うるさいです!ここも正直に言うが、確実に音はする。洗濯機を回すと音がする、というのと同じだ。
具体的には、食洗機を回している途中に同じ部屋でテレビを見ていると、聞こえにくくてストレスを感じる、という感じ。
音がするのは、洗い・すすぎの行程であり、乾燥に入ると静かである。
自宅では静かに過ごしたい、音に耐えられないという人には、残念ながらすすめない。しかし、私自身は何も気にならない。勝手に食器洗ってくれるなら、ゴーゴー言ってても文句なし。外出時に回してることも多いし。
〇最後に——みんなも食洗機使おう!
上記の通り、食洗機には家事の効率化という大きなメリットがある一方、設置にはハードルもある。
しかし、実際に使っている身からすれば、「高いハードルを工夫して乗り越えてでも、設置するメリットがある」と思っている。
そして、特に家事や育児に忙しい世代の人には、強く強く食洗機をお勧めしたい。
子育てしていると、ただでさえ食事作りが大変だ。そして、食器の量も増える。洗い物のことも考えず、次々お皿を出して使ってしまう。
帰宅して大慌てで家族の食事を作り、ようやく子供に食べさせ終え、フゥと一息ついたら、シンクには大量の食器の山…
もうウンザリしませんか。
そして、パートナーと家事のクオリティのことでケンカになるのも、ゲンナリしませんか。
そんな悩みを手放して、もっと別のことに人生のリソースを割きませんか。
私は家電メーカーの回し者でも何でもないのだが、食洗機が切実に必要なのだ。
せっかく食洗機が開発されて、こんなにしっかり性能を発揮してくれるのに、どうして私たちは未だに食器を手洗いする苦行に甘んじなければならないのか。
キッチンに、食洗機の設置場所、作ってくれよ。洗面所の洗濯機置き場みたいに。
みんなが当たり前に食洗機を使うようになれば、私はもっと暮らしやすくなると思っている。
だから食洗機、強く強くオススメします。
<商品の紹介>
・パナソニック食洗機:私が実際に使っているもの。分岐水栓式、ファミリー向け容量。
・パナソニック食洗機:タンク式。分岐水栓取り付け不要。
・シロカ食洗機:自動給水式(バケツから自動で給水)。ファミリー向け容量。
・食洗機設置用ラックの例
・分岐水栓の例(※これは一例。自宅の水道蛇口のタイプに応じて、使える水栓が細かく分かれている


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