生成AIは、急速なスピードで生活の中に入り込んできている。(そんな話題はこの記事にも書いた。)
多くのホワイトカラー職場でも、業務の遂行に当たり生成AIの活用が進んでいるだろうし、
周りを見渡せば、「これAIだよな」という画像や文章がすでに氾濫している気がする。
実際、当サイトで使用している画像は、かなりの部分が生成AIで作成したものだ。
自分でイラストなんか書けないので、大変助けられている。
さて、「人間の仕事が機械やコンピュータに奪われる」という言説は、別に今始まったわけではないが、
昨今の生成AIの急速な普及によって、より一層顕著に聞かれるようになった気がする。
昨年には、生成AIの導入に伴って人員を削減する動きがアメリカのIT業界等で進んでいるという報道を見たし、「AIは米国のホワイトカラーの半分を置き換える」なんて言ってる人もいた(記事)。
そのような危機感もあってか、最近はブルーカラーへの転職の動きも目立っているらしく、「ブルーカラービリオネア」という言葉も登場している(記事)。
それが本当であれば、日本でも大差ない未来が近いうちにやってくるだろう。
ホワイトカラーの半分がリストラされる危機にあるというわけだ。
私自身、オフィスで働く事務職ホワイトカラーの一員なので、AI時代にどのようなスキルを磨いて生き残ればよいのか、真剣に考えなければならない。10年後に路頭に迷わないために。
…でも、あんまりそんな気にならない。
「仕事がなくなる」ということが、イメージできないし、じゃあ何の仕事をしておけば生き残れるのかなんて、考えても仕方ない気がする。
明らかにAIに代替できない仕事なら、すぐに思いつく。
例えば美容師。AIに髪は切れないし、仮に今後、ロボット技術がどんどん進展したとしても、ロボットが美容師レベルの技術で髪を切れるようになる日はかなり遠いだろう。
例えば役者やダンサー。人間の肉体の存在が前提になっている職業なのだから、(仮に将来、ロボットに演技をさせるという新たな芸術的試みはあり得るとしても)置き換えようがない。
だが、今さら自分がその職業に転職しようなんて、そんなふざけた話はないだろう。
ホワイトカラーの会社員が、「この先AI失業しそうなんで、美容師に転職することにしました」なんて言ったら、
「美容師なめんな」と怒られるに決まっている。そんな理由で美容師になれるはずないではないか?
一方で、こういう想像もする。
もしも私がイラストレーターだったり、プログラマーだったり、翻訳家だったりしたら?
(現実には、そのいずれでもない。)
生成AIでそれっぽいイラストが作れて、生成AIがプログラムを書いてくれて、生成AI(いや単なるGoogle翻訳でもいい)が一瞬でザックリした翻訳を作ってくれるのであれば、
それらのスキルを持つ人たちは、確かに、今後に不安を覚えるかもしれない。
そんなことを考えていて、逆に私は、自分に何のスキルもないことをあらためて痛感した。
AIに取って代わられるようなスキル自体がない。
だから、差し迫った不安の実感も持てないのだ。
私は、自分が、「誰でもできる仕事」をやっている自覚がある。
いま、私がやっている仕事が、仮にAIに置き換えられて、なくなったとする。
そうすれば、代わりに「AIの作ったものをチェックする仕事」とか、「AI使用にあたりコンプライアンス上の問題を整理する仕事」とか、なんかそんな仕事が必然的に発生して、そっちの業務をやらされるだけに思えて仕方がない。
例えば上司が、「○○を~~するような××なことできないかなあ?」
みたいな、極めて曖昧な構想を表明して、検討を指示してきたとする。
その台詞をそのままAIにインプットして、バシっと解決策が出てくればよいが、
実際には、そのイメージ発注をもっと具体的な指示として分解・整理したり、
あるいはAIと対話しながらその曖昧な構想を具現化し、モノになるレベルに仕上げるためには、
結局人間の手が入らないといけないように思える。
そして、仮にAIが人間の作業を代替して、色々な情報を集めてまとめて分析した出来のいい資料を一瞬で作ってくれたとして、
それを説明して回るのはどうせ人間の仕事になってしまうような気もする。
例えば幹部の意思決定を求めて社内プレゼンするような場面を想定したとき、
アイデアも資料もAIが作ってくれるかもしれないが、説明するのは担当者(人間)でしかなく、現状、人間を納得させる仕事は最終的に人間がやるしかないのではないかと感じる。
いや、もっとジョークみたいな場面も想像できる。
私の上司が「〇〇を~~するような××なことできないかなあ?」みたいなことを考えて、それを優秀なAIに相談する。
AIは上司との対話を重ねながら、そのニーズをくみ取り、その意図を反映し、様々な課題を分析し、きわめてスピーディーに問題を整理して、大変魅力的な提案を導き出してくれる。
そうすると上司が言う。
「AIに相談したらこんなこと言ってるんだよ。これってホントかな?実際のところ〇〇とかってどうなってるの?ちょっと××を当たったりして、裏どりしてみてくれない?」
「………」
妄想かもしれない。私の職場が古びているだけのことかもしれない。
AIの機能がもっと洗練されてきて、正確性が担保されるようになったら(AIがより高度なレベルで人々の信頼を勝ち得たら)、こんなジョークみたいな状況はもう想定できなくなるだろうか。
とうとう私の仕事はなくなり、私は働かなくてよくなるだろうか。
人間の仕事をみんなロボットがやってくれて、人間は毎日遊んで暮らす。言葉ひとつでどんな作業もロボットがやってくれる。
そんな未来を子供のころからずっと夢見続けている。
ドラえもんみたいな世界。
この社会に機械が登場したときにも、これまで人間が手作業でやっていたことが、機械に置き換えられて、失業する人がいたかもしれないけれど、かといって、人類の社会における仕事の総量がそんなに減っているとも感じられない。
仕事がなくなれば、別の仕事が生み出されるだけだ。
そうしたら、私はその仕事で働くだけだろう。
夢見た未来はこない。
私は働きたくない怠け者だから、「AIに仕事を奪われる未来」の心配よりも、遊んで暮らせる夢見た未来が永遠に来ないんじゃないかという想像のほうが、ずっと心を暗くする。
いつか遊んで暮らせる未来が来ると思って、それまでの辛抱…と言い聞かせてどうにか、働いているんだけどな。
怠け者への福音は、この世界ではまだ当分こないようだ。



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