【常識バグ夫の事件簿】筆文字職人を全力ムダ使いの年賀状で家計が寒くなる年末

家族・子どもの話

年末年始の風物詩である年賀状。昨今は、年賀状を送る人が減り、「年賀状じまい」という動きも盛んになっている。

日本郵便が発表した2026年用年賀はがきの当初発行枚数は7.5億枚、前年比でいうと約70%の水準だ。
報道によれば、15年連続の減少で、ピーク時の1/6の枚数になっているそうだから、
近年、年賀状文化は衰退の一途をたどっていると言ってよいだろう。

私は、もともとあまり友達もいないので、年賀状を大量に出していたことがないのだが、
年を取るに従い、そのやり取りも自然に減って、ここ数年はもう5~6枚程度である。
わざわざ「年賀状じまい」するほどの枚数でもないし、自分が本当に連絡したい相手が残っているわけだから、細々と毎年書いている。
絵柄付きのハガキを買ってきて、メッセージと宛名を書いて終わりだ。
費用も1,000円かからないくらい。

夫(ヨウちゃん)は、私よりは少し枚数も多いようで、15枚くらい書いている。
それでも大した量ではないが、彼は面倒くさがりなので、毎年何やら印刷サービスを発注している様子だった。

今年も同様に何か印刷を発注し、いったん自宅に印刷済みのハガキを届けてもらったらしく、
先日、ヨウちゃんは宛名等を印刷し終わった年賀状をテーブルに広げて、一言メッセージを書き込む作業をしていた。

その作業をなんとなく横目に見ていた私は、
卓上に散らかっている年賀状の1枚がチラっと目に入って、思わず目を見開いた。
明らかにこの家にはそぐわない、どう見ても見慣れないものがそこにあって、異彩を放っているのだ。

ふ、筆書き・・・・・・!?!?!?

宛名が、単なる印刷ではなく、明らかに毛筆なのである。
重々しく格調高い筆文字が、ハガキの表の面にどっしりと墨で書き付けられている。
裏側に印刷された家族写真のいい加減さ&ポップさと、いかにも不釣り合いである。

もちろん夫はこんな筆文字書かない。つまり、
つまりこれは・・・いわゆる「筆耕」ってやつなのではないか・・・・・・・・!?
あの、結婚式の招待状で使われるやつじゃないか・・・・・・・・・!?

なんじゃこりゃ!と私は思わず言った。

はるべ
はるべ

これ何!?これわざわざ書いてもらったの!?

ヨウちゃん
ヨウちゃん

え、なにが?

はるべ
はるべ

筆文字じゃんこれ!こんなの、発注して作ったもらったってこと!?

ヨウちゃん
ヨウちゃん

いや、よくわからないけど・・・印刷じゃないの??それ

はるべ
はるべ

印刷のわけないだろ!墨が乗ってるだろ見るからに!!

彼はそもそも自分が筆耕サービスを利用しているという自覚すらないようだった。
こだわりを持って(ぜひとも筆文字で!という気持ちで)注文したのではないことは明らかだ。

いや、そりゃ・・・これ書かれてたら、すごい格式高い年賀状には見えるけど・・・
どうせ裏面にはやる気のないボールペン字でおざなりなメッセージが書いてあるだけなんだから、
宛名だけこんな異様な重厚感を放っても・・・

テーブルの上にバラバラと、格調高い筆文字の葉書が並ぶ光景には、変な圧力すら感じる。
私は嫌な予感がして、恐る恐る聞いた。

はるべ汗
はるべ

ねえヨウちゃん…、

これ、ま、まさか…1枚1,000円とかじゃ…ないでしょうね…!?!?

私は結婚式の時にも筆耕サービスなんてものを使ったことがなかった(自分で書いた汗)。
いったいいくらするのか想像がつかない。
しかし、プロの人が1枚1枚、手書きしているのである。それに見合うだけの費用がかかっていることは想像に難くない。

私は、たかが15枚程度の年賀状の作成のために、数万円の請求書が来ている情景を想像した。
なんといっても、この記事で書いたように、ミニトマトの苗を3,000円で買う男である。
ほかにも、数知れない前科があるのだ。何をやっていてもおかしくない。
1万円札に羽が生えて飛んでいくイメージ図が、私の頭の中で踊り、変な笑い声が出そうになる。

ヨウちゃん
ヨウちゃん

え?いや…覚えてないけど。そんなにはしないんじゃない??

はるべ汗
はるべ

覚えてないじゃないんだよ!!この程度の年賀状にいくらかけてる気だよ!!

出せぇぇ!!領収書を出せぇぇぇ!!!

ヨウちゃんは、年賀状作成にいくらかかっているのかも把握していない。
驚くべきルーズさというか、無頓着さである。

私がやかましく言いつのった結果、ヨウちゃんがしぶしぶ探して、見つけてきた領収書には、
合計金額:8,875円
という記載があった。

またやりやがったな…」と私は思った。
年賀状15枚を作るだけのための費用としては、明らかに過大だ。
費用のことなど何も考えず、善し悪しを検討することもなく、目についたものを無思慮かつ短絡的に購入するのがヨウちゃんのいつもの行動パターンである。

はるべ
はるべ

15枚9,000円ってどんな高級年賀状!?

100枚送るってんじゃないんだよ!

プリント〇ック注文しときゃいいだろ!!

ヨウちゃん
ヨウちゃん

えー…。だってめんどくさいんだよ…

去年と同じやつ頼むのが楽なんだよ。

はるべ
はるべ

めんどくさいってだけのくせに何でわざわざ筆文字職人を召喚するんだよ!!

ヨウちゃん
ヨウちゃん

うーんそれはよく分かんないんだよね。去年はこれじゃなかったと思うんだけど。

どうして注文しちゃったんだろうね??

はるべ
はるべ

だろうねじゃないんだよ!!どんな無意味な贅沢してるんだよ!!

職人なんだと思ってるんだよ!!

その無意味な贅沢仕様を省いて、その分、子供たちのお年玉費用にでも回してくれよ。
私は切実に思った。

ただでさえ出費がかさみ、レシートの山を見たくない年末年始。
新年を迎える前から、我が家の家計はもうすでに寒風で凍り付きそうである。

【補記:本題とは別の話として】
それにしても…。
15枚の年賀状に9,000円もかけて無駄に高級仕様にしているヨウちゃんの非常識は置いておくとして、
客観的に見た場合、プロの人に15枚も筆文字書いてもらった費用としては、ずいぶん安くないか?と私は思った。
あらためてヨウちゃんの領収書の内訳を確認してみると、
筆耕サービスの値段は、基本料金1,100円+1枚あたり250円である。
なんと、1枚1,000円どころか250円だった。
いや、これはさすがに安すぎる。プロが手作業でやるものの対価とは思えない。

前述のとおり私は筆耕サービスを利用したことがなく、相場がまったく分からなかったので、興味を持って調べてみたのだが、
宛名書きの場合、安いものなら100円から、高くても数百円といったところだった。
正直びっくりした。
いいかげんな学生アルバイトじゃあるまいし、技能がないとできない仕事で、一つ一つ手作業でやるものなのに、なんでそんなに安いのか。
筆文字を書くという技能への敬意がなさすぎるのではないだろうか?
世の中に、こんなに正当に評価されていない仕事があるのかと思って、少し考えこんでしまった年の瀬であった。

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