2019年、埼玉県飯能市にオープンした「ムーミンバレーパーク」。
その存在は知っていたが、今まで行ったことはなかった。
ムーミンが特別好きというわけでもないし、それほど大きな興味があるわけでもなかったからだ。
そんな管理人が先日初めてムーミンバレーパークを訪問したので、
その感想・レビューやレポートをお届けする。
私はムーミンバレーパークに何の利害関係もないので、あけすけに思ったことを書いている。
また、管理人が体験した範囲の感想を書いたものであり、施設の隅々を網羅的に調査したというものではない点はご留意いただきたい。
(だから、ムーミンバレーパークが大好き!!という人にはおすすめしない記事かも…)
最初に、きわめて正直な感想を一言で書いておくと、
「まあ、1回行けば、十分かな」
だった。
そこそこ楽しめたし、「ひどかった!2度と行かない!」などとは思わないが、
積極的にもう一度行きたいという動機はあまりない。
そもそも私はムーミンに対する知識や興味をそれほど持ち合わせていない身である。
このパークを存分に楽しめるかどうかは、ほぼ、「ムーミンを好きか、よく知っているか」にかかっていると思う。
本記事では、先に<その1>として、感想&評価をまとめた上で、
<その2>では、施設の具体的な体験レポートを記載したい。
<その1>感想と評価について
〇 前提条件
・管理人はムーミンに対する知識や思い入れはあまりない
⇒子供の頃、テレビでやっていたアニメを少しだけ見たことがある程度の知識。
ムーミン、ムーミンパパ&ママ、ミイ、スナフキン、スニフあたりの主要キャラは一応知っているが、
ストーリーはほぼ認識しておらず、設定もよく分からない
・編成は夫婦と子供2人(9歳と3歳)
⇒夫のムーミンに対する知識も私と同程度。子供はムーミンを全然知らない。
・訪問したのは12月の土曜日。公共交通機関を利用
1.アクセスやロケーション
ムーミンバレーパーク(以下単に「パーク」と書く)は、「メッツァ」という北欧風の商業施設の一画にあり、「メッツァ」自体は無料で入れて、ショップやレストランが並んでいる施設である。
(ちょっと違うかも知れないが、ディズニーランドとイクスピアリみたいな関係をイメージすると近い。)

パークを含めたメッツァ全体が、宮沢湖という湖を取り巻くように作られており、
森と湖という北欧風の自然風景の中、広い敷地に色々なショップや施設が点在している。
施設内のあちこちでイベントも行われているので、パークに入らなくても、メッツァだけでも十分遊ぶところがある。


私たちは、11時すぎにメッツァに着き、しばらくぶらぶらしたあと、パークには12時頃に入って、18時頃まで滞在した。
6時間の滞在で、「まあ十分かな」という感想である。
本記事ではメッツァの説明は省略するが、
訪れた当日はクリスマスイベントが開かれており、ツリーが飾られていたり、クリスマスソングの演奏があったり、湖にサンタの島が設置されていたりした。
9歳の長男は「ルーン文字スタンプラリー」を喜んで回り、3歳の次男は、湖のほとりの広い空き地で走り回ってご機嫌だった。

【うれしいポイント】
パークは当日再入場可能なので、いったん外に出てメッツァでご飯を食べ、また戻るみたいな使い方が可能。パーク内の飲食物は豊富ではないので、メッツァのレストランをうまく使うとよいかも。なお、私は先に食事を済ませて入園したので、パーク内では食事していない。
【いまいちポイント】
最寄りの飯能駅からメッツァまで、バスで15分程度かかるので、正直遠く感じる。バスも普通の路線バスであり、便利とは言いがたい。そして、パークはメッツァのいちばん奥に位置するため、メッツァの入り口からかなり歩かないとパークに着かない。パーク入り口に到着するころにはすでに疲労。
2.チケットや各種料金について
パークに入場するには、1デーパスが基本である。料金は次の通り。
<1デーパス料金>
おとな:4300円(前売り3,900円)、こども(4歳~高校生):1,300円(前売り1,000円)。
<ナイトパス料金(16時~)>
おとな:2500円(前売り2,300円)
訪れた感想として、パークにはそれほどアトラクションがあるわけではなく、
遊園地というより「設備の充実した公園」というのが近い。
そう考えると、率直な感覚として「安い」とはいえない。
もし、単に公園内をぶらぶらして帰っただけ…となると、高額に感じるだろう。
しかし、仮に、パーク内のイベントや施設、アトラクションをめいっぱい楽しむことができたとしたら、十分価格に見合う体験になると思う。
前売り券を買うと値引きされるので、前日の時点で訪問を決めている場合は、確実に前売りを買うべきである。
そして、嬉しいのは、高校生まで一律の子供料金だということ。
近所の高校生たちはとてもお得なので、ぜひ行こう!
※パークも若者誘客に力を入れているのか、2026年1月16日(金)~2026年4月5日(日)の間、
学割半額!というパスが発売されるようなので、該当者は要チェック。
私の場合、家族4人(3歳は無料)で8,800円。
おおむね1日遊んだと考えたら、「まあそんなものかな」という感想である。
パーク内での飲食物については、前述の通り食事をしていないので書くことがあまりないが、
これも「安いわけではない」という印象。
例えば、フードスタンドで売っているテイクアウト品で言うと、
ポップコーンが550円。「ポークバン」という肉まんのような食べ物が680円。
「コケムス」にあるレストランのメニューで言うと、
「おさびし山のハヤシライス」「スナフキンの帽子カレー」といった作品世界にまつわるメニューが単品1,680円。
テーマパーク価格と考えれば「こんなものかな」という相場だが、ディズニーより高めの設定にも感じる。


3.パークのいいところ、イマイチなところ
このパークのいいところは、「ムーミンの世界をとても大切にしている」ということだ。
私自身はムーミンをあまり知らないが、随所で、「よく作り込まれているな」とは感じた。
世界観を壊さないよう、細部にこだわってムーミン谷の雰囲気を再現しようとしている。
単にキャラクターの名前を冠しただけという粗雑さではなく、
ムーミンというコンテンツを大事にしている人が考えたんだろうと思わせる丁寧な作りである。
そういう意味で、「ムーミンが好きな人」にはとてもオススメなのだ。
原作をよく知っている人が訪れれば、パークのあちこちにちりばめられた原作世界の要素を存分に受容して、
ムーミンの世界にどっぷり浸れるのだろうと想像する。「ムーミン推し」にはまさに聖地である。
一方で、「特別ムーミン推しではない人」も顧客として想定した場合、
そのこだわりは、「必ずしもユーザー目線ではない」というイマイチな面にそのままひっくり返る。
ムーミン世界を重視するために、顧客の一般的なニーズにはあまり寄り添っていない面がある。
例えば、パーク内の案内板は、たぶんフィンランド語とおぼしき言葉で書かれており、雰囲気満点なのだが、普通の人には読めないので、案内板としての役割は全然果たしていない。

そして、パーク内が1周できない作りになっていることも象徴的だ。
パークの最奥には、スナフキンのテントが置かれているエリアがあるのだが、そこは行き止まりになっていて、通り抜けられない。奥まで行ったらそのまま同じ道を引き返してくるしかないのだ。
想像するに、静かな思索を好むスナフキンが身を休めている場所ということで、「森の中の通路の先の静かで奥まった場所」にこの展示を作ったのだと思う。
顧客が騒々しく出入りする賑やかな場所はふさわしくないということだろう。
その趣旨も設計思想(?)も理解するものの、顧客目線からすると、動線として優れているとは言いがたい。

「ムーミンファンにはたまらない」みたいな要素が、そうではない顧客からするとイマイチ要素になってしまうのがこのパークの特徴かもしれない。
4.パークに向いているのは誰か~コンテンツと移動の問題~
上記も考慮すると、パークに向いている人、向いていない人は以下の通りである。
【向いている人】
・ムーミンが好き、よく知っている人
・大人のペア(友達同士やカップル)
・歩くのが苦にならない健康な人
【向いてない人】
・ムーミンを知らない人、特に好きではない人
・子供連れの家族(幼児、小学生ともに不向き)
・移動しにくい人(ベビーカー、杖、車椅子など)
意外に思われるかもしれないが、この施設は子供向きではない。
誰かにすすめるとしたら大人だろう。
子供は、乗り物に乗ったり、遊具で遊んだりするのは好きだが、
「雰囲気を味わう」とか、「景色を楽しむ」とか、「写真映えスポットを喜ぶ」という感性はない。
このパークは、雰囲気を味わったり、景色を楽しんだり、写真映えスポットを探したりするのには適しているから、一定以上の年齢の大人(特に若者)のペアが来るにはよいと思う(大人数のグループには向かない気がする)。
しかし、乗り物や遊具で遊んだり、体を思い切り動かしたり、ダイレクトに「遊ぶ!」ということへの欲求を持つ子供たちにとって、楽しい部分が多いとは言えない。
そもそもの視点として、ムーミンというコンテンツ自体が、おそらくあまり子供向けではないのだ。
ムーミンは、童話のような体裁を取っているものの、想像上の生き物がたくさん登場したり、その関係が不明だったりと、子供にとって必ずしも分かりやすい内容ではなく、「大人向け童話」みたいな雰囲気がある。
そういう不思議さや、個性的なキャラクターや、ムーミン谷の素朴な自然のイメージなどを愛せる人なら、このパークをきっと楽しめるだろう。
子供連れで遊びに行った身としては、「子供にはあんまり楽しくないだろうな」と感じていた。
そして、パーク内は広く、歩行距離が長い上、メッツァも含めて坂道がとても多いので、
移動がけっこう大変なのである。小さい子を歩かせるには、つらい。
(ベビーカーを使っている年齢の子供は、自力で歩かせずに乗せる方がよいと思う)
小さい子のみならず、杖をついていたり、車椅子だったり、移動に難を抱える人にとっては、
パークが広いわりに歩く以外の移動手段がないので、困ったことになるのではと想像する。
5.イベント参加の有無で評価はかなり変わる
パークでは季節ごとのイベントが行われている。そのイベントにどの程度参加するかによって、満足度はかなり変わってくると思う。
例えば、夜には湖の上で花火大会が開催されるのだが、私は帰りが遅くなるので鑑賞を諦めて帰った。
クリスマス限定のナイトショーも開催されているのだが、それも時間の都合で諦めて帰った。
(メッツァから自宅まで2時間以上かかるので、小さい子と一緒にそんなに遅くなれないという事情がある)
しかし、そういうイベントを十分体験してから帰れば、もっと満足度が上がったのではないかと思う。
6.「こうだったらいいのにな」ポイント
何度も書いたとおり、このパークを楽しめるかどうかは、「ムーミンを好きか、よく知っているか」にかかっている。
一方、来る人みんなが熱烈なムーミン愛好家ではないだろうし、
現実問題として「少しは知ってるけど…」くらいの人が多いのではないか。
せっかくパークに来たのだから、それをきっかけにムーミンの世界をよく知ることができるような仕掛けがあればいいのに、と思った。
パーク内は、ムーミンのコンテンツを知っている前提で作られているので、よく知らない人には、やや置いてけぼり感がある。
前提知識になるような、「主要なキャラクターの紹介」「キャラクター相関図」などが提供されると、もっと理解が深まるのではないか。
パーク側もある程度そういう認識があるのか、入り口で「ストーリーガイド」という冊子を渡されるのだが、「うーん、これじゃないんだよな~」という感想だった。
もっと「基本のき」みたいな汎用的な情報を提供してほしい。

ムーミンの登場人物(?)は、率直に言って分かりにくい。
人名(固有名詞)と種族名が混在していてキャラクターが判別しにくいし、誰がどんな属性なのかパッと見分からないし、誰と誰がどういう関係なのかも不明だ。
(私は「ヘムレンさん」が固有名詞ではないことも知らなかったし、「ミムラ夫人」と「ミムラ姉さん」が同じなのか違うのかも分からなかったし、「トゥーティッキ」が誰なのかも認識できてなかった)
そのへんの知識不足が、パーク訪問によって補われるのであればよいのだが、
単に混乱して分からなくなるだけで、頭が「?」マークのまま出ることになってしまった。
せめて、入り口からの長い通路の途中に、キャラクター紹介のボードでも置いたら…などと一瞬考えたが、
それをやったら雰囲気をぶち壊してしまい、ムーミンファンには怒られることだろう。難しいところである。
全体の評価&感想は以上である。
個人的には、20代くらいのカップルでやってきて、ムーミン谷の素朴な雰囲気に癒やされながらぶらぶら散歩したり、写真を撮ったりしながらゆっくり過ごし、夜は花火を見て、帰りにメッツァで夕飯を食べて帰る…なんて過ごし方をするのが最良ではないか?という感想を持った。
では次に、実際に訪問したレポートを、施設内のエリア別にお届けする。
<その2>に続く。



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