横浜山手西洋館の「世界のクリスマス」を見たら、お正月みたいだなあと思って、心が温まる【過去分も紹介】

ユル風味の話題

もうじき楽しいクリスマス。
みなさん、クリスマス、好きですかー!

私は好きだ。
朝起きたら枕元にプレゼントが置かれていた子供時代はもちろん、
成長してプレゼントがなくなってからもやっぱり好きだったし、
若い頃、非リア充のぼっちだったときにも変わらず好きだったし、
親になって子供ができた今も好きだ。

なんでかと言われたら正直よく分からないところもあるが、
たぶん、子供時代の楽しい記憶が根底にあるからではないだろうか。

家でクリスマスツリーを飾ったり、親と一緒にスポンジにクリームを塗ってケーキを作ったり、
いつもと違うごちそうが食卓に並んだりするのが嬉しかった記憶がベースにあって、
「心躍るイベント」として脳内にインプットされているのだと思う。

他宗教・多文化のイベントを、時には本来の趣旨を完全に損ないながら
勝手に変換して取り入れてしまう日本人は、節操がないと言えばそうなのだが、
たぶん我々は、由来がなんであれ、「季節の風物詩」的なものを愛しているのだろう。
それはそれで、四季の移り変わりを愛でる日本人にふさわしい態度と言えばそうなのかもしれない。

だから12月には、何かしらクリスマスの雰囲気を味わえるような行動をしたくなる。

今回はそのひとつ、横浜山手西洋館の「世界のクリスマス」についてご紹介したい。
写真を見るだけでもクリスマス気分になれるので、ぶらりと眺めていっていただければと思う。

山手西洋館「世界のクリスマス」

横浜の山手地区には、外国人居留地だった時代の面影をとどめる歴史的建造物として、
外交官や貿易商たちの住まいだった洋館が残されており、
その「山手西洋館」(※)で、例年この時期に、「世界のクリスマス」というイベントが開催されている。
洋館の内部に、世界各国の文化を反映したクリスマス装飾が施されているというものだ。
※正確に記載すると、「山手西洋館」に属する7館の洋館と、「山手公園」内の施設である「旧山手68番館」が「世界のクリスマス」の会場になっている。

公式サイトはこちら⇒「横浜山手西洋館 世界のクリスマス2025

今年(2025年)は、山手西洋館のうち6館と旧山手68番館の計7カ所で、
それぞれ異なる7か国(ノルウェー、オーストラリア、フランス、アメリカ、イギリス、韓国、フィリピン)の
クリスマス装飾と文化が紹介されている。

とても素敵なイベントなので、ここ数年、毎年訪問しているのだが、
取り上げられる国は年によって異なっている(&同じ国でも、年によって装飾のテーマは違う)ので、
毎年訪れても、そのたびに新しいものが見られる。

今年は7カ所のうち、5カ所(イギリス、韓国、アメリカ、フランス、フィリピン)に訪問した。
(西洋館は横浜山手地区の広範囲に立地しているので、全部回るとけっこう時間がかかる)

その模様と個人的な感想をお届けしたい。

1.イギリス

会場は、「港の見える丘公園」に隣接する「横浜市イギリス館」。
建物の前には美しく手入れされたイングリッシュガーデンが広がり、
12月にもかかわらず、バラをはじめとする色とりどりの花が咲いている。

イギリス館の外観。英国領事公邸として建築されたものらしく、立派な邸宅

解説によると、イギリスのクリスマス装飾は、コッツウォール地方のコテージをイメージし、
サンタの家「クリスマスグロット」がテーマだそうだ。

「クリスマスグロット」とは聞いたことがないものだったが、
小さな部屋や小屋のようなものの中にサンタ役の人がいて、
子供たちがサンタに会いに行けるというような設えのものらしい。

サンタの家の暖炉をイメージしているのだろうか
サンタさんの小屋のような場所?子供が入って遊べそう
クリスマスの食卓も美しく整えられている
プレゼントに囲まれたテディベアがかわいい
クリスマスのリースパンやクッキー

2.韓国

イギリス館の隣にあるのが、「山手111番館」。
こちらは韓国のクリスマス装飾が行われている。

山手111番館。アメリカ人J.E.ラフィン氏の住宅だった

展示パネルによると、韓国は人口の約30%がクリスチャンで、
クリスマスには教会での礼拝や賛美歌、劇、食事会などと伝統的なスタイルのクリスマスを過ごすとのこと。
調べてみると、クリスマスは「聖誕節」という祝祭日になっているというから、本格的だ。

展示としては、韓国の伝統工芸品を取り入れたクリスマス装飾や、
赤と青のコントラストカラーが見どころ。

館内は赤と青で鮮やかに彩られている
大きく華やかなクリスマスツリー

館内のあちこちで、靴下の代わりに、足袋みたいな形のものがぶら下がっているなと思っていたら、
これは韓国の伝統衣装チマチョゴリの下に履くポソンというものだと、スタッフの方が教えてくれた。

変わった形の靴下のようなものは、ポソンという足袋らしい
韓国の伝統的な工芸品がクリスマスのモチーフと融合

クリスマスのモチーフで装飾された食卓には、韓国の伝統的な食器が並ぶ。
かなり高級そうな品だなと思っていたら、韓国領事館から借りてきた宮廷用の貴重な食器なのだという。

超立派な高級食器

3.アメリカ

元町公園の近辺にある「エリスマン邸」では、アメリカのクリスマス装飾がされている。

色づいた銀杏の木が美しい「エリスマン邸」

アメリカのクリスマスと言えば、
真っ赤な衣装を着た、ふくよかな白ひげのサンタが、
コカコーラの瓶を片手に満面の笑みを浮かべるというビジュアルしか思い浮かばないのだが、
展示を見た印象では、あまり派手さはなく、落ち着いてシックな雰囲気だった。

展示パネルによれば、移民の国なので、色々な国の文化が感じられるミックススタイルだと説明されている。

おいしそうなお菓子の家。国旗がなければ、アメリカ色はそれほど感じないかも
暖炉も丁寧に飾り付けられている。左奥に見えるのは、有名なフランク・ロイド・ライトのデザイン照明
食卓の装飾。お皿にモミの木が乗っかっているのはどういうわけなのだろう
大きなクリスマスツリーの根元には、溢れんばかりにプレゼントが置かれている
鉄道模型がかわいらしい

4.フランス

エリスマン邸から歩いてすぐの「ベーリック・ホール」では、フランスの装飾を見ることができる。

どこかエキゾチックな雰囲気がある「ベーリック・ホール」

館内に足を踏み入れると、どこからか、甘い芳香が漂ってくるのを感じる。
なんの匂いだろう?と思いながらキョロキョロしていると、
しばらく歩き回ったところで、館内のクリスマス装飾に使われている大量のユリの花の
香りなのだと気が付いた。
クリスマス装飾は白を中心としたシックな色合いで統一されているが、
その中心にこれでもかとユリの花が織り込まれており、高貴でゴージャスな雰囲気を醸し出している。

美しく飾られた暖炉のそばにも、ゴージャスなユリの花束が
食卓にも飾られたユリのブーケ。さすがフランス、エレガントな食器にシャンパンボトルの食卓
豪華なティーセットの傍らにも純白の大きなユリ
花の香りにむせ返りそうなほど
2階に上がると、子供部屋と思しき場所にもかわいいプレゼントが
魔法使いのおじいさんのような白髭のサンタが、ヨーロッパっぽい雰囲気バツグン

今年のフランス装飾は、とにかくユリのゴージャスさに圧倒される装飾だった。

ちなみに、フランスは2年前、2023年の「世界のクリスマス」でも取り上げられており、
その際に訪問した写真も残っているので、あわせて紹介する。
同じ国でも年によってテーマが異なり、まったく違った雰囲気が楽しめるのが分かると思う。

おまけ:フランス(2023年)

2023年のフランスは、トリコロールカラーのクリスマス装飾だった。
また、美食の国フランスらしく、食べ物をフィーチャーした装飾が目立っていた。
あまりにおいしそうで、ついつい手が伸びそうになる展示なのである。

フランスらしいトリコロールカラーがテーマ
ツリーも赤白青で美麗
おいしそうなフランス料理の数々が再現されている
食卓に、ながーい木の幹が置かれており…
その真ん中にブッシュドノエル。思わず手が伸びそうになる。

5.フィリピン

さて、2025年に戻ろう。
ベーリック・ホールのフランスの装飾を見た後は、
山手公園まで移動し、「旧山手68番館」を訪問した。
ここではフィリピンのクリスマス装飾が紹介されている。

旧山手68番館。現在は山手公園の管理棟を兼ねている

フィリピンは、クリスマスをとても熱心に祝うことで知られている。
なんと9月からクリスマスが始まっているのである。

昔、セブ島に旅行したとき、9月だったにもかかわらず、
もうクリスマスの装飾がされていて、「どういうこと?」と不思議に思ったことを思い出す。

そんなお国柄を反映して、クリスマス装飾も珍しいものが見られるだろうかと
思っていたが、率直なところ、あまり地域色は強くなかった。
旧山手68番館は、公園の管理棟として使われていることもあり、
あまり装飾に使えるスペースがないことも要因だろうと思われる。

入口の飾りは華やかだが、フィリピン色があるかというと「?」
天使が飾られたクリスマスリースは素朴な雰囲気
キリスト降誕の場面を表した繊細な置物が飾られている。熱心なカトリックの信仰をイメージさせる

天井に吊るされている、竹で作ったと思われるような星型の飾りが、
唯一フィリピンらしい雰囲気を生み出している部分ではないかと思われた。
調べてみると、フィリピンのクリスマスには「パロル」という星型のランタンが定番の装飾品らしい。
この写真の飾りは、調べて見つけた飾りの画像とは少し違うようではあるが、
同じような装飾のバリエーションなのかもしれない。
パロルは希望の光を象徴する装飾品なのだそうだ。
手の込んだ作りを眺めていると、どんなふうに編んでいるのかなと興味がわいてくる。

日本でいうと、むしろ「お正月」が近い

日本でクリスマスというと、ロマンチックで、華やかで、キラキラしたものを連想しがちで、
特に一昔前(というか多分バブル期)には、恋愛文化と強く結びついて、
(本来は宗教行事なのに)カップルが二人でデートして楽しむものだったり、
華やかなパーティーをするものだったりというイメージが広まっている傾向がある。
※近年、もはやそのようなイメージは滅びつつあるような気もするが。

しかし、各国のクリスマス装飾を見ていると、クリスマスとはまず何よりも、
親密な者たちの間で祝われる「家族のイベント」なのだということを強く感じる。
家の中を伝統のモチーフで装飾し、家族で囲む楽しい食卓を整える。
定番の装飾品や、決まったモチーフがあり、「クリスマスに必ず食べるもの」がある。
そして、同じクリスマスと言っても、それを祝うやり方は、きわめて地域色が強い。
同じ国の中でも、地域に特有の風習があったりする。

これは日本でいうと、「お正月」の感覚に近い。
家族で集まって、お節料理に代表される「お正月に特有の定番メニュー」を取り揃えた食卓をみんなで囲み、
親密な関係の者たちが一緒に過ごす。
まさにお正月のようなイベントなのだと思わされる。

それぞれの国の特色に溢れた、丁寧で心のこもったクリスマス装飾を見ていると、
そこに色々な国の、様々な家族の姿が想像できるようで、
まったく知らない異国の風習ではあるものの、何か親しみと温かみを感じるような思いがする。
そして、「ああ、おうちに帰って、ほっこりしよう」みたいな気分になったりする。

日暮れの早い12月のある日に、おしゃれでハイソな横浜・山手地区をめぐり、
世界各国のクリスマス装飾を眺めて回った感想は、最終的には
「うちへ帰って、みんなであったかいもの食べたいね」
ということになったのであった。

横浜山手西洋館「世界のクリスマス」は、12月25日まで開催中だ。
私は余力がなくて行けなかったが、残りの「ノルウェー」「オーストラリア」も、
きっと素敵な内容だろうと想像する。
クリスマス気分に浸りたい人、カップルでロマンチックにデートしたい人、家族でほっこりしたい人、
ぜひ出かけてみてはいかがだろうか。

本稿の趣旨は以上である。
以下はオマケなので、ボンヤリのんびり写真を眺めてください。

2023・2024のクリスマス装飾もご一緒にどうぞ

最初に書いた通り、この「世界のクリスマス」は、毎年開催されており、
私も昨年・一昨年にも訪問している。
すべて見ているわけではないが、その中で印象に残った国の装飾を写真とともに紹介する。

・スイス(2024年)

2024年、「ブラフ18番館」では、スイスのクリスマス装飾が行われていた。
スイス国旗の赤と白をテーマにした展示で、
食卓には、スイスを象徴する食材であるチーズの料理が並べられていた。

スイス国旗の赤と白をテーマにしている。雪が降っているようなデザインが素敵
クリスマスツリーも雪をかぶっているような外観
食卓にはチーズ料理がずらりと並ぶ。今すぐ食べたい気持ち
かわいすぎるパン。販売してほしい

・ドイツ(2024年)

2024年にエリスマン邸で見たドイツのクリスマス装飾もご紹介。
ドイツと言えばクリスマスマーケットのイメージが強く、まさにクリスマスの本場という感じがする。

装飾はとても手の込んだもので、木の枝や葉など、自然のものをふんだんに組み合わせて、
ドイツの森を思わせる緑や茶のシックな色彩を中心にした内容になっていた。
豪華・華やかというよりは質実剛健(?)というべきで、
何かクラフトマンシップを感じるような仕上がりという印象である。

落ち着いた渋い感じの装飾で、森をそのまま持ってきたような雰囲気
食卓も華やかというよりは落ち着いているが、装飾は端々まで凝っているのを感じる
森から拾ってきたもので作りましたという雰囲気が色濃い

壁際に大きな棚が置いてあり、そこに「Advents Kalender」の文字が。
「楽譜入れ」と書いてあるが、この家具をアドベントカレンダーに見立てているらしい。
日本で売っているアドベントカレンダーはチョコレートが入っている紙製のものなど、簡素な商品が多いが、
凝ったものは気の引き出しになっていたりするので、その超豪華バージョンということになるだろう。

・イタリア(2023年)

2023年には、イタリアのクリスマス装飾も見ることができた。
イタリアと言えば、カトリックの本場である。
クリスマスについても、きっと伝統的で豪華な祝い方をしているんだろうなと想像して訪問したが、
期待を裏切らない、心躍るような装飾だった。

華やかなモチーフがこれでもかと飾り付けられて枝が重そうなツリー
イタリアといえばこれ、伝統のクリスマス菓子「パネトーネ」
ほとんど絵本のような世界

解説によれば、「この日は子供たちが待ち望むベファーナ(魔女)がやってくる日でもあります」とのこと。
イタリアでは、子供たちに贈り物をくれるのは、サンタさんではなく、魔女だということだろうか。
何だか怖そうなのだが、暖炉に潜んでいる「ベファーナ」を探したところ、実にかわいい見た目だった。

暖炉の中にちょこんと座っている、かわいらしい「ベファーナ」。あまり魔女という感じはしない

・ペルー(2023年)

2023年には、「山手234番館」でペルーのクリスマス装飾が行われていた。
ペルーのクリスマスについて見分する機会は多くないのではないか。
少なくとも、私は初めて見たので、とても新鮮で面白かった。
ペルーのクリスマスと言われてもにわかに想像がつかないが、
カトリックが多数を占める国なので、クリスマスの風習は深く根付いているはず。
しかし、考えてみれば南半球のペルーは、クリスマスには夏なのである…。
いったい、どんな感じなんだろう?と考えるのも楽しい。

入り口ではアルパカのかわいいぬいぐるみが迎えてくれた
クリスマスリース(?)も、ひと味ちがう
暖炉はかわいらしい人形でいっぱい
ツリーの飾りも、ペルー独特のモチーフに満ちている
デスクの上にあるのは、キリスト降誕の様子を描いた置物かな?
ペルーのクリスマスの食卓。七面鳥らしきものが見える。大きなお菓子はパネトーネ(ペルーではパネトン)らしい

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